チームを強くしたければ下手な選手ほど試合に出すべき

今年のプロ野球は福岡ソフトバンクホークスが2年ぶりに日本一に輝きました。

多くの評論家の方々が、その勝因の一つに「選手層の厚さ」を挙げています。

たしかに試合に出てくる選手がその実力を発揮して試合で活躍する姿を見ると、誰が試合に出てもおかしくないし、強いという印象を持ったことと思います。

もちろん全員がプロ野球選手なわけですから上手いわけで、試合に出れば活躍するのが当たり前だともいえるでしょう。

しかし、プロ野球選手の中でもレベルの違いがあるのもまた事実です。

〇〇選手がけがで試合に出られないから勝てなくなった。」ということを敗因に挙げることもありますが、これは試合に出ている選手のレベルが下がったということを暗に示しているといえます。

「選手層の厚さ」とは

このように、「選手層の厚さ」という表現は、言い方を変えれば、試合に出ている選手が代わっても大差がないということを意味しています。

つまり、選手のレベルがそれほど変わらないということです。

では、このことを自分のチームに当てはめて考えてみてください。

試合に出る選手を決める際、上手いと評価している選手だけを試合に出していませんか?

もちろん、試合をする以上は誰もが勝ちたいと考えることでしょう。

それは選手も監督も同じです。

しかし、上手いと評価している選手が試合に出ていれば必ず勝てるでしょうか?

監督が期待しているような活躍を選手がしているでしょうか?

必ずしもそのようにはいえないのではないでしょうか。

そして、試合に出している選手を交代させようと思っても、控えの選手は試合に出ている選手よりも下手な選手だからという理由で結局交代させないことでしょう。

おそらく、このようなチームが大半を占めていることと思います。

その結果、チームが強くなったといえるのはごくわずかだと思います。

そのやり方ではチームは強くならないのです。

勉強に例えてみるとよくわかる

このことを勉強に例えてみましょう。

学生や生徒の中にも、学力の高い人もいれば低い人もいます。

そのようないろいろな生徒がいるクラスの平均点を上げようと思えば、何をすればよいでしょうか?

学力の高い生徒の学力をもっと伸ばそうとするという方はいないと思います。

むしろ、学力の低い生徒に少しでも学力を身につけさせようとするでしょう。

つまり、常に90点以上の点数をとる生徒に100点を目指させるよりも、50点しかとれない生徒に60点を目指させた方が伸びしろもありますし可能性も高いのですから、平均点は上がりやすいといえます。

下手な選手を試合に出せばチームが強くなる理由

このように、チームを強くしたければ、上手い選手の実力を伸ばすことよりも、下手な選手の実力を伸ばした方がよいということになります。

では、なぜ試合に出した方がよいとまでいえるのでしょうか。

この点も実は明確な理由があります。

試合で実力を発揮するための機会が必要

下手な選手ほど試合に出すべき理由は「試合で実力を発揮するため」です。

下手な選手を試合に出さない理由は何ですか?と尋ねたら、ほとんどの監督は「試合に出るだけの実力がないから。」と答えることでしょう。

しかし、実際に試合に出てみなければ、実力があるのかないのかわかりません。

しかも、例えば上手い選手であれば出場時間が長いのに対して、下手な選手はわずかな時間しか与えられていません。

上手い選手は長い出場時間の中である程度の実力を発揮できれば評価されるのに対して、下手な選手は与えられたわずかな機会に結果を残さなければ「試合では使えない」との評価をされてしまうのです。

これって、おかしくないですか?

下手な選手であっても長い出場時間を与えられればそれなりの結果を残すかもしれません。

逆に上手い選手であってもわずかな出場機会では結果を残せないかもしれません。

下手な選手であっても、試合で実力を発揮するためには、相応の機会が与えられなければならないのです。

試合でしか得られない経験がある

また、試合でしか得られない経験があるということも理由に挙げられます。

よく「試合を重ねるごとに強くなっていった」という表現をすることがあります。

実際にそれほど前評判が高くなかったチームでも、試合で勝ち進むごとに強くなっていき、ときにはそのまま優勝してしまうこともあります。

この「チームが強くなった」というのは、選手が試合の中で得た成功や失敗といったすべての経験が選手の実力を伸ばしていることを物語っているといえます。

スポーツに意欲的に取り組めるようになる

スポーツ選手であれば誰でも試合に出たいと思っています。

試合に出るために、試合に出て活躍するために練習しているといってもよいでしょう。

しかし、試合に出られないという状況が続くと、「あれだけ練習しても試合に出られないのなら、練習するだけ無駄だ」と考える選手も出てきてしまいます。

これに対して、試合に出た場合に活躍できれば、「もっと活躍できるように練習しよう!」と思うでしょうし、活躍できなければ「次は活躍できるようにしっかり練習しよう!」と思うでしょう。

このように、試合に出たという経験をするだけで、選手はスポーツに意欲的に取り組むようになるといえます。

上手い選手も努力をするようになる

これまで上手いという理由で試合に出ていた選手も、試合に出ないという状況になると「なぜ試合に出られないのか?」と考えるようになります。

このような場合、選手は、これまで十分な出場機会を与えられていたのにそれが少なくなるわけですから、限られた機会の中で結果を残したいと考えるようになります。

そのためには何をしなければならないか?ということを考えた場合、「もっと練習しないとだめだ!」と考えるようになるのです。

チームワークが良くなる

このような選手同士の切磋琢磨がチーム内の競争を生むことになります。

いうなれば、選手同士がライバルになるわけです。

こうしたライバル関係というのは、選手同士が仲違いするのではないかと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、実際にはそうではありません。

むしろ、試合に常に出られる選手と出られない選手との間のほうが軋轢が生まれます。

真のライバル関係というのは、相手のことを認め合っているからこそ、なのです。

こうした選手全員が認め合うことによってチームワークが良くなるのです。

このチームワークこそが、チームの強さだと思います。

最後に

今年の日本シリーズを見ていても、試合に出ていない選手が試合に出ている選手の活躍に一喜一憂していました。

自分が守るポジションと同じ選手が活躍しているのに、です。

これこそがチームワークなのだと思いますし、チームの強さなのだと思います。

私たちがプロスポーツ選手やチームから学ぶべきなのは、選手のプレーよりも、このような個々の選手やチームとしての姿勢なのではないかと思います。

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