チーム内でいじめが発生する根本的な原因と対策

先日、このホームページをご覧になった方から次のような問い合わせがありました。

「現在、私の息子が少年野球チームに入っているのですが、同じチームの子に嫌がらせを受けているようなんです。どのように対応したらいいのでしょうか。」

具体的な内容をお尋ねすると、キャッチボールの相手をしてくれなかったり、わざと暴投して取りに行かせたり、近い距離なのに思い切りボールを投げつけたり・・・などといったことでした。

このような場面は、子供の場合にはよくあると思います。

思い返せば、私も少年野球をしていた当時は同じようなことがあったように思います。

同様の事例は、野球にかぎらず、例えばサッカーやバスケットボールなどのチーム内でも起きているのではないでしょうか。

このようなチーム内でのいじめに関して、私の思うところを述べてみたいと思います。

いじめられる側には原因はない

最初に明確にしておきたいことは、いじめられる側には原因はないということです。

スポーツの現場に限らず、いじめの問題ではしばしば「いじめられる側にも原因がある」と指摘されることがあります。

しかし、実際にこのようなことを言っているのは、限られた人だけです。

それはいじめる側の人です。

もともといじめられる原因などというものは存在しません。

人にはそれぞれ個性があり、しかも千差万別なわけで、人によって「合う・合わない」ということがでてきます。

通常であれば、それを個性の違いととらえて、気にすることはありません。

しかし、いじめる側の人からすると、その個性の違いが気に入らないのか、または許せないのか、そのような感情が「いじめ」へと発展していきます。

スポーツの現場でいうと、選手にはそれぞれ実力差があります。

これが子供の場合だと、歴然とした実力差があるのが一般的です。

そのスポーツを始めて間もない子供と1年以上前に始めた選手とでは練習量が違いますし、慣れの程度も当然異なります。

同じタイミングで始めたという場合でも、飲み込みが早い選手もいれば何回やってもなかなか上手くできないという選手もいます。

そうした実力差を「上手い」「下手だ」ととらえて接する選手が大半だと思いますが、中には「自分より上手い」「自分より下手だ」と自分と比較して評価する選手がいます。

このような自分との比較で評価を設定する選手ほど、いじめられる側に自分勝手に原因を設定して、いじめを行っているのです。

いじめる側の何が問題なのか

このように、同じチーム内の選手をいじめる選手は、「自分よりも上手な選手」「自分より下手な選手」という自分なりの評価をして、それが気に入らないという理由でいじめを行っています。

つまり、いじめる側の選手は、「自分自身に目を向けているのではなく、他人に目を向けている」のです。

では、なぜそのようなことをしてしまうのでしょうか。

それは、試合に出たいからです。

試合に出たいという気持ちは選手であれば誰でも持っています。

しかし、試合に出るためには何が必要なのかということの考え方を間違えているといえます。

試合に出る選手を決めるのは、采配をふるう監督やコーチです。

しかし、選手の大半は「試合に出るのは上手い選手」という考えを持っています(ひょっとすると選手の親もそのように考えているかもしれません)。

しかも、チームスポーツの場合には、一度に出場できる選手の人数は限られています。

したがって、試合に出たいと思えば、その限られた人数に選ばれなければなりません。

もし試合に出たいと考えるのであれば、自分の実力を伸ばすことを考えるべきでしょう。

実際に、ほとんどの選手はそうしています。

しかし、「あの選手が自分の代わりに試合に出るのは許せない。」とか「今は自分が試合に出ているけど、あの選手が上手になってきたから自分が試合に出られなくなるかもしれない」などと考える選手がいます。

そのような選手が「いじめる側の選手」になってしまうのです。

優秀な選手とは

あくまでも私の経験値ですが、実際にいじめが行われているか否かは別にして、同じチーム内の他の選手のことを馬鹿にしたり、いちゃもんをつけてきたりする選手ほど、往々にして大した選手ではありません。

私が思う「優秀な選手」とは、自分の能力や実力を伸ばすことしか考えない選手です。

それは、「スポーツが上手くなりたい」という気持ちの表れですし、それを達成したときの喜びが「スポーツが楽しい」という実感につながっていきます。

このような選手は、他の選手がどうだなどという考えを持つことはありません。

ひたすら自分のことだけを考えて努力を続けます。

「優秀な選手」とは「上手い選手」と考えがちですが、私はそうは思いません。

他人との比較ではなく、自分自身のスポーツに取り組む姿勢や気持ちを大事にした選手こそ、優秀な選手なのだと思います。

より優秀な選手とは

私が思う「より優秀な選手」とは、自分のことだけでなく他の選手にも同じように上手くなってもらいたいとアドバイスする選手です。

同じチーム内の選手にアドバイスできる選手というのはそう多くはいません。

先ほども述べたように、自分が試合に出たいと考えるのであれば、他の選手にかまってなどいられません。

ましてや、もし自分がアドバイスした選手が自分より上手になってしまったら、自分は試合に出られなくなってしまうかもしれないのです。

しかし、それでも他の選手に対してアドバイスができるというのは、自分自身がその選手よりも上手であり続けるための努力を惜しまない選手だといえるのです。

そして、自分がスポーツから得られている達成感や楽しさを他の選手にも感じてもらいたいという気持ちの表れであるともいえるでしょう。

最後に-スポーツ選手やその親に対して

同じチーム内でいじめが発生するということはあってはならないことです。

そのような事態を招かないためにはどうすればよいのかということを考えなければなりません。

これまで述べてきたことは私見ではありますが、決して間違えてはいないと自負しています。

同じスポーツをする仲間なのですから、純粋にスポーツを楽しもうという気持ちを大事にしていただきたいと思います。

お子さんがこのような話をまだ理解できないという場合には、他の選手がどうだとかを考える以前に、お子さんがそのスポーツに真剣に向き合うように取り組ませるのが、親のつとめなのだと思います。

スポーツ選手がみな「優秀な選手」や「より優秀な選手」を目指していけば、スポーツの現場からいじめはなくなると信じています。

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